今更、おはぎと裁縫針

「もぐもぐ。………………ん、」
俺の予想は的中したようだ。
俺の舌が何かに触る。
食べるものとは少し違うようだったので、取り合えずそれを指につまんで取り出してみた。

…………………これは。
…なんだ?
それが何かを頭が理解する前に、俺は食べかけのおはぎごと、それを力いっぱい投げ付けた!!!
壁に叩きつけられ、餡が飛び散る。
そして、一心拍置いてからぼろりと剥がれ落ちて床に落ちた。


咄嗟に投げつけてしまうということは、おはぎを手に持っていた…多分、楊枝などを用いず素手で…と考えて良いと思う。つまり、片手…多分、利き手…はふさがっていた。


でもって、一度口に含んだ「何か」を「指につまんで取り出してみた」。ふさがっている片手は、当然ながら使えない。もう一方…おそらく利き手と反対の手…でつまみ出したわけだ。


片手におはぎ、片手に裁縫針に似た「何か」。それを「おはぎごと」投げつけている。どうやるのよ?


わざわざ一度おはぎから取り出した「何か」を、またおはぎの中に戻してから投げつけたんだろうか?んなアホな!


両手で同時に投げつけたのか?器用だな!


順番に、まずおはぎをなげてから、次に「何か」をなげたのか?それじゃ「おはぎごと」とは言わんだろ?


裁縫針でも、魚の骨でも、アルミホイルでも、タバスコでも…なんでもいいんだけどさ、一度指でつまみ出したものを「おはぎごと」投げるってのがどういうことなのか…どうにも、読解不能だわ。